きょうの修理 ~20アルファス~
両軸・ベイトリール2021.01.13
なんとフィネスリールの味方である「AIRスプール」が回らない! という症状のご依頼品が到着しました。
せっかくのAIRスプール、一体どうしたのでしょうか。
フィネスの味方「AIRスプール」が回らない!?
ご依頼品は20アルファス AIR TWです。さっそく見ていきましょう。
お客様曰く「ハンドルが回転しない」「クラッチを切ってもスプールフリーにならなくなってしまった」とのこと。見た目はきれいで、とてもそこまで致命的な不具合があるとは思えません。
しかし実際に作動点検をしてみるとハンドルは回せず、クラッチを下げてもスプールが回転しません。
見た目は問題なさそうでも、残念ながらこれではリールとしての性能を発揮できません。詳しく見るため分解していきましょう。
外したスプールに変形を発見!
修理箇所にもよりますが、分解するときはスプールを取り外すところから始めることが多いです。こちらのアルファスはスプールフリーにならないという症状があるので、まずはスプールやその周辺を慎重にチェックしていきます。
スプールをチェックしていると、なんとスプールエッジの変形を発見しました!
画像の丸印部分、スプールエッジの一部が歪んで変形しているのがお分かりいただけますか?
この変形したスプールを外した状態でハンドルを回してみると、案の定スムーズに回りました。このことから、スプールの変形部分がフレームに干渉し「ハンドルが回らない」「スプールが回転しない」といった不具合に繋がっていたことが分かりますね。
不具合の原因であるスプールは交換しましょう。画像左が新品、右が変形したスプールです。
◆交換部品:スプール
◆交換部品代:¥15,000(税抜)
◆手数料:なし(修理専用部品のため)
さっそくスプールを新しいものに交換してみると、ハンドル回転はもちろんのことスプールフリーもご覧の通り。
これで無事、不具合は解消しました。
フィネスリールとAIRスプールの性能をまた存分に発揮できますね。
近年のベイトキャスティングリールのスプールは求められる性能のために超薄肉であり、特にAIRシリーズはベイトフィネス専用スプールのため非常に繊細な部分があります。ブレーキ力の調整やテンションのかけ方など、取扱説明書に従ってお取り扱いください。
また、今回のような変形につながる恐れがあるため、たとえ低い位置からでも落下させたり、軽いものでも上に置いたりなどはしないようにしましょう。
丁寧に扱えばその分リールが長持ちし、釣果にも貢献してくれるはずです!
リールの不具合、メンテナンスについてはSLPにお任せください。
SLPはダイワのアフターサービスセンター。ダイワの釣り具の修理・メンテナンスを手掛けています。
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