きょうの修理
スピニングリール2020.07.15
リールの構造を理解すれば、何かトラブルが起きても慌てずに対処できることが増えるでしょう。
今回はリールの構造から発生しやすいトラブルと、その修理をご紹介します。
ドラグとスプールが一緒に動いてしまう!
そこで今回取り上げるのがこちらのTD-ZタイプRの修理。大事にお使いいただいている方がまだまだ多い名機です。
ご依頼は「ドラグを回すとスプールも一緒に回ってしまう」というもの。釣り場でこんな現象が発生したら困ってしまいますよね。
一体リール内部では何が起きているのか、さっそく見ていきましょう。
分解してドラグ周辺のパーツから確認してみると、案の定変形しているパーツを発見!
このドラグラチェットの変形により、今回の不具合が発生しています。
左が新品で右が変形した部品です。右側は穴部分がなめているのが分かるでしょうか。
ドラグとスプールが一緒に回ってしまう現象は、これを交換すれば解決です。
◆交換部品:ドラグラチェット
◆交換部品代:¥600(税抜)
◆手数料;¥1,000(税抜)
かかった費用は上記の通り。
不具合も直りそのほか基本性能も良好なため、これで修理の作業自体は完了しました!
パーツ変形の原因は?
ご依頼の修理は完了しましたが、なぜこのような現象が起きたのでしょうか?
ここからは変形の原因を解説していきます。
実はこのような現象の多くは、スプール取付けの際にドラグラチェットとスプールメタルがうまく噛み合っていない状態のまま、ドラグノブを締め込んで取り付けてしまうことが原因です。
画像左のように、スプールメタルの頭はドラグラチェットの中心から出ているのが正常に噛み合っている状態。正常でなく、変形しているのが画像右の状態です。
無理に締め込みドラグラチェットが変形してしまったことで、スプールメタルが中心からズレやすくなっているのが分かりますね。
間違った組み立てや無理な締め込みは変形・破損の元です。お客様ご自身でできる範囲であっても、リールの分解・組み立ての際はパーツの紛失や噛み合わせなどには特に注意を払いましょう。
スピニングリールは、LTを除きほとんどが今回取り上げたものと同じような構造です。お手持ちのリールでもお気を付けください^^
ダイワの釣り具の修理・メンテナンスは、アフターサービスセンター・SLPが手掛けています。
オーバーホールや不具合修理などのご依頼は、お気軽に販売店様からお預けください。
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