ゼロアジャスターってなに!? スティーズに代表される技術の進化!

2019.07.10


そもそもゼロアジャスターとは?


ダイワのスティーズSV TWやスティーズA TW、18リョウガに採用されている「ゼロアジャスター」と呼ばれる部分。「ここって、今までメカニカルブレーキと呼んでいたような……?」「じゃあこのゼロアジャスターってなんだ!?」と疑問に感じる方は多いようです。


実際、お客様からお問い合わせをいただくことが多いので、今回こちらで皆様の疑問にお答えしたいと思います。


ずばり、ゼロアジャスターとは「スプールガタ ゼロの調整のための機構」です!


これだけでは、「じゃあメカニカルブレーキはもう無いの?」「ブレーキはどうするんだ?」と思う方もいるでしょう。

では、次からそちらをご説明します^^


メカニカルブレーキはなくなったの?


メカニカルブレーキはなくなったわけではありません。ゼロアジャスターという機構の名称で呼ぶようになったのです。なぜ、メカニカルブレーキと呼ばなくなったのでしょうか?

それは、メカニカルブレーキが主に、スプールのガタを押さえることに使われるようになったからです。


近年はマグネットブレーキの進化により、マグダイヤルだけで使用ルアーごとのブレーキ力の調整が可能になりました! すごい進化ですね……

そのため、ゼロアジャスターは「スプールガタ ゼロ」の調整にのみ使用されるようになったのです^^


それでは、なぜスプールガタ ゼロにしなければいけないのでしょうか?

ゼロより締めて使うとリールの高レスポンスなスプール性能を損ね、飛距離ダウンやフィネス性能の低下につながってしまうからです。


反対にゼロより大きく緩めた状態でも、キャスト時のスプールの振れが大きくなり、本来のマグネットブレーキの性能が不安定に…… ルアーの飛距離もバラつき、ライン放出にムラが出るのでバックラッシュの原因にもなってしまいます。

さらに、緩めすぎるとスプールとフレームが干渉してキズがつく……といった、さまざまな不具合や性能ダウンの原因になってしまうのです!


バックラッシュやスプール回転時のノイズ、飛距離が落ちたなどの不具合でSLPが今までお預かりした修理品。そのなかには、故障ではなくゼロアジャスターのツマミを締めすぎ、緩めすぎたことによる不具合というケースが、実際にあります。

このような状態では、リールの性能を100%発揮できていないと言えます。ゼロアジャスターで“ゼロ”に設定して、リールの性能を最大限引き出しましょう!^^


ゼロアジャスターの調整方法と、設定のタイミング


ゼロアジャスターは、「固くて動きにくく、クリックなし無段階で微調整できる」スプールガタ ゼロ設定のための機構です。従来の「操作しやすい反面、誤作動してしまうことも多い」メカニカルブレーキと違い、「誤作動のリスクが格段に減った」のがゼロアジャスター最大の利点!


釣行前や最初のキャストの前、一度ゼロ設定してしまえば、その日はもう調整する必要がありません。


ゼロアジャスターの調整方法は以下のとおり。

右ハンドルの場合、締めるときは時計回り、緩めるときは反時計回りに回します。左ハンドルの場合、これとは逆になるのでご注意ください。



「スプールガタ ゼロ」の状態とは、「スプールがガタつかない状態からゼロアジャスターを緩めて、わずかにスプールがガタつくところ(0.2㎜程度)」のことを言います。クラッチを切った状態であれば、より分かりやすいはずです^^


さて、これでゼロアジャスターについてご理解いただけたでしょうか?


ゼロアジャスターとは、「スプールガタ ゼロ」の調整をするための機構。主にスプールのガタを押さえるために使用するので、メカニカルブレーキノブとは呼ばなくなりました。

最大の利点は誤作動のリスクが減ったこと。ゼロ設定に調整した状態を保てることで、リールの高い性能を最大限引き出すことができます!


皆さんもゼロアジャスターを活用して、明日からスプール性能を100%フルに使った釣りを楽しみましょう!



(当コラムの情報は更新時点のものです。公開後も情報の更新に努めておりますが、最新の情報と異なる場合があります。)