ベイトリールへの適切な注油量はどれくらい?

2021.08.25

「自分でしっかりメンテナンスしているはずなのに、リールに不具合が発生してしまった!」

SLPでは、こういったご依頼をいただくことがあります。

 

もちろんリールを使用すれば、消耗し経年劣化を起こすことも、それによって初期性能を維持できなくなることも当然です。しかし、中には誤った注油方法により不具合が発生してしまうことがあります。

今回はベイトキャスティングリールを取り上げ、メンテナンスの方法によってリールに不具合が発生する事例をみていきましょう。


注油したのにリールに不具合?


「キャストの飛距離が出ない」「ハンドル回転が重い」などの不具合でベイトリールが届くことがあります。

 

不具合にはさまざまな原因が考えられますが、実はこういったケースは「一度の注油量が多すぎること」が原因であることが多いのです。この場合、メンテナンスのときに気を付けていれば不具合を発生させずにすみます。


では、実際に過度な注油を行ってしまった場合、内部はどのような状態になっているのでしょうか?



適量以上に注油したリールを分解してみると、内部は油分でべたべたです。

画像下の適量注油されている正常な状態に比べて、画像上は過度に注油した油分がフレームの内側で飛び散り、スプールにまで及んでいることが分かりますね。

 

スプールフレームの隙間に油分の膜ができることで回転が悪くなり、さまざまな不具合の原因になったり、ベイトリール本来の性能を発揮できなくなったりしてしまいます。


メンテナンスは確かに大切ですが、注油はすればするほど良いという訳ではありません。

良い状態を保つためには、適切な箇所に適量を塗布することが重要です。


適切な注油量はどのくらい?


では具体的には、どのように注油を行えばいいのでしょうか?


ベイトキャスティングリールの注油箇所は、こちらのメンテナンスコラムと同様。

スプールシャフトの両端とウォームシャフトにはメンテナンスグリスを、ハンドルノブの付け根にはリールガードグリスを塗布します。そのほかの箇所は、機種ごとの取扱説明書に従ってください。


フレームやセットプレートとスプールの隙間への注油は逆効果です。この部分に注油されているリールを時々見かけますが、回転性能に影響が出ているものが多くあります。

 

注油の際にもうひとつ注意したい点が、塗布する量です。

液体状のオイルは、何滴も出すことはせず一滴を薄くのばすように塗りましょう。


スプレータイプの場合、深く押し込むと1プッシュで量が出すぎてしまうことがあります。ボタンは完全に押し込まずに軽く浅く、吹きつける時間は0.5秒くらいにしましょう。

また、直接吹きつけても差し支えありませんが、一度プッシュして出したオイルやグリスを軽く拭き取り、画像のようにノズルに残った一滴を注油するのもおすすめです。



ベイトリールのスプール部をはじめ、ボールベアリングが小さいタイプは特に注油過多になりやすい傾向があります。ご自身でメンテナンスする際は、上記のような注油量にも注意して行なってください。

あわせて定期的なオーバーホールをご利用いただくことで、より快適にリールをご使用いただけますよ。


SLPはダイワのアフターサービスセンター。

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