きょうの修理 ~ライトゲームX ICV~

両軸・ベイトリール

2020.11.18


「しっかりお手入れしていたのにクラッチが動かなくなってしまった!」

このような内容のご依頼で届いたこちらのライトゲームX ICV 200H。さっそく見ていきましょう。

 

クラッチ不良の原因はグリス?


作動点検をしてみると、ハンドルを回転させてもクラッチレバーが復帰せず、いつまで経っても巻き上げられません。確かにクラッチ部に不具合が発生している様子です。

 

ユーザー様はきちんとお手入れをされていたとのこと。では、一体どうしたのでしょうか。

分解してみると、内部には衝撃の光景が広がっていました。



 

なんと各部にグリスのようなものが大量に塗布されています! 内部のほとんどがグリスでべたべた……

もはやグリスが塗布されているというより、分厚い層になったグリスにパーツが埋まっているといった状態。クラッチが動かなくなったのは、明らかにこれが原因です。

 

本来はキックレバーがクラッチレバーを跳ね上げることによりクラッチが復帰します。

しかしこの大量のグリスによってキックレバーが作動しないため、ハンドルを回転させてもクラッチが上がらない現象が発生していたようですね。

 

原因が判明したところで、元通り動くように修理していきましょう。


注油のしすぎは逆効果!


まずはグリスまみれのリール内部をどうにかしなければなりません。



各所に塗布されている潤滑油を一度きれいに取り除き、純正グリスを適切な箇所に適量塗布しつつ組み上げ、完成です!

 

◆手数料:¥2,300(税抜)

 

もちろん、不具合のあったクラッチの作動も問題ありません。



今回ご依頼のライトゲームは、分解の痕跡がなかったことや潤滑油の塗布形状からして、恐らく水抜き穴などの隙間から大量にグリスを注入されたのでしょう。お客様の「しっかりお手入れしていた」とはこのことですね。

しかし、注油は適切に行わなければ逆効果。こちらのリールのように、使い物にならなくなってしまいます。


リールを長く快適に使用し続けるために、ご自宅でのお手入れは非常に大切です。

グリスやオイルはだんだん抜けていくため、水洗いのみならず注油も行わなければリールにダメージを与えてしまうでしょう。


ただし注油も、とにかく大量に塗れば良いというわけではありません。

ご自宅でお手入れされる際は、こちらのベイトリールのメンテナンスボールベアリングへの注油などのコラムを参考にしてみてください^^

 

また、ご自宅でのお手入れだけで足りない部分を補うために、定期的にプロのメンテナンスを受けましょう。

お客様の大切なリールは、ダイワのアフターサービスセンター・SLPでお預かりします!

お近くのダイワ製品お取扱店様へお気軽にお預けください。