きょうのオーバーホール ~18イグジスト~

スピニングリール

2023.05.31


今回は「18イグジストFC LT2500S-CXH」のオーバーホールのご紹介です。


オーバーホールのご依頼内容は?


ご依頼内容は「回転時のシャリ感の改善」と「歪んだベールの交換」

見た目は綺麗ですが、確かにハンドルを回すとシャリシャリと強めの感触があります。お客様は、こちらに関しては原因と対策もあわせて知りたいとのことです。

 

実は歪んだベールは、一時はそのままと考えられていたようですが、後ほど追加で交換のご依頼をいただきました。

画像の赤い丸部分がわずかに凹んで(歪んで)いるだけ……と思いきや、ベールが凹んだ際の圧力により、ベールの形状が全体的にいびつになってしまっています。それでは、上記のご依頼内容で作業をしていきましょう。



ベアリングのシャリ感とベールの変形


ベールの変形と聞くと、些細なものなので放っておいても良さそうと思っていませんか? しかし、ベール開閉の動きが引っかかる、ラインに傷がつくなど、基本的な作動に影響を及ぼしてしまうので交換します。

やっぱり交換してほしいというお客様の判断、見事に正解です!

 

もう一点、回転シャリ感の原因はボールベアリングからでした。

こちらが取り出したボールベアリング。見た目は何の問題もなさそうですが、ベアリング単体を手のひらや指先で回してみるとザラザラとした感触が…… 明らかに回転不良のようです。



ボールベアリングのシャリ感はベアリング内へ異物が入り込んだことや入水、塩ガミなどによる回転不良が原因でした。

では、マグシールドには異常がないのに、ボールベアリング内に異物や塩ガミがあるのはなぜでしょうか? これは推測ですが、使用中、ハンドル回転時に水被りなどにより想定以上の水圧がかかったことで、マグシールド部以外から入水した可能性があります。

 

対策としては、やはり日頃のメンテナンスが大切です。

自宅でできるお手入れは、釣行ごとの水洗いがメイン。ドラグを締めてハンドルは回さず、スプールを上にして真上からシャワーをかけてください。このとき、強すぎる水圧はNGです。その後は水分を拭き取り、風通しの良い日陰でしっかり乾燥させましょう。

 

スピニングリールと18イグジストのメンテナンスについて、詳しくは以下のコラムも参考にしてみてください。

 スピニングリールのメンテナンス/18イグジストの注油


結果として作業内容と交換部品、費用は以下の通りになりました。

オーバーホール手数料は、SLP PLUS会員様のためクーポンご利用で20%OFFです!


◆交換部品:ベール、ドライブボールベアリング、ピニオンボールベアリング他

◆交換部品代:¥12,800(税込¥14,080)

◆手数料:オーバーホールPコース¥3,200(税込¥3,520)

 

必要な部品を交換し、オーバーホールまでしっかり仕上げて作業は完了。

今回は指定のベール交換と、ボールベアリングを原因とした回転シャリの改善が主なご依頼でした。

 

このように、不具合が発生してしまった際のオーバーホールはもちろん、摩耗や不具合を防ぐためのお手入れも大切です。釣行ごとの水洗いとオーバーホールを上手く組み合わせて、釣り具は長く大切に使っていきましょう。

 

SLPはダイワのアフターサービスセンターです。

ダイワの釣り具の修理やメンテナンスはSLPが手がけています。

オーバーホールを検討されている方は、お気軽に販売店様へお預けください。